「心のすきま」


心の中の小さなすきま
普段は気づかないけれど
ふとしたときにその存在があらわになる
ふきまからは風が吹き
やがては心の中に嵐を呼ぶ

その勢いはすさまじい
心のすべてをめちゃくちゃにしてなお
おさまりきれずに吹きすさぶ
あなたは何を望んでいるの
もう壊せるものは何もないのに

ふとすきまから光がさす
その光は徐々に心の中を明るく照らし
いつしか嵐も止んでいる
そしてさらにあたたかさを増し
心の中は落ち着きを取り戻す
壊れたものはそういう運命にあったのだ
さあ、また新しく作り直そう
失うものは何もないのだから


('00.10.12)